「くっそぉ。遅かった・・・」

オレは、近くの壁をたたいた。
自分に対しての怒りがだんだんこみ上げる。
目からは涙がこぼれる。
周りの人が、オレのことを見るけど、かまわない。

あの時・・・アイが雨の中走っていたあの日、アイを追っていれば。

もっと自分の足が速ければ。

自分を責めた。

「アイぃぃぃっっ」
今の自分の精一杯の声量で叫んだ。