「利久く~んっ」

朝から、髪をバタつかせた

結衣が走ってきた。

「ごめんね?待ったかなぁ」

「ううん。今来たとこだよ」

僕と、結衣の会話はいつもこんなカンジ。

「ねぇ、昨日すごく生きのいいタイが

入荷したんだ」

「へぇ~」

「ねぇ、利久くん」

「何?」

すると、いきなり僕の目の前に

来て、

「今日の利久くん、素っ気ない。」

と、結衣は怒ってしまった。

「なぁ、結衣」

「何?」

「何で怒ってんの?」

「お、怒ってないもん」

明らかに怒っている。


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「おはよ~利久っ」

男友達の朝辺俊一がやってきた。

「はよ。」

「今日も、結衣ちゃんと?」

「そうだよ」

「ラブだね」

「うるさい」

僕は、正直結衣を女として

見ていない。

でも......

「でもさぁ、結衣ちゃん人気

あるからなぁ~。利久、気をつけろよ」

「何を?」

「いや?先輩にってこと」