ドサッと重苦しい音を立てながら、

最後の荷物を運び終えた。


僕は、冷蔵庫から冷えた炭酸飲料を

取りだした。


「はぁ、疲れたわ」

と、母は呑気そうにため息を

付きながら僕の隣に座った。

「利久、彩ちゃんはいいの?」

突然、母が口を開いた。

「......。」

「まぁた。利久、そんなんじゃぁ

彩ちゃんに嫌われるよ?」

「もぅ、嫌われてるよ」

「アハハッ、そうなの?」

母は、呑気に笑いをあげていた。

だけど、僕もそこまでひどい奴ではない。

僕も、心に違和感を感じていた。

「...行った方がいいかなぁ」

僕は、冷えた炭酸飲料を一気に喉に

通した。

「行ってらっしゃい」

母はかん高い声を上げながら言った。