ある日の、蒸し暑い昼間。
僕は、親と一緒に引っ越しの
準備をしていた。
僕、成田利久は高2になって
引っ越しをすることになった。
「母さ~ん、これどこにしまぅの?」
朝から、忙しい。
僕は、ここの地元に彼女がいる。
学校でもそこそこ有名な、
女子だ。
石川彩。
僕の初めての彼女だ。
普通、恋愛漫画とかでは
迎えに行ったり、迎えに来たりしている。
だけど、僕らは違う。
僕が引っ越しをするということは、
昨日伝えたばっかりだった。
すると、彼女は怒ってしまった。
だけど、別れなきゃ
僕は遠距離恋愛なんて無理だ。
「利久~?ちょっと、手伝って!」
僕が、ボーっとしていると、
母のうるさい声が耳に入った。
「わかったよ」
と、しぶしぶ母のもとへ走った。