昼休み、

春の陽射しに誘われて、
教室の窓際でたたずむ私


「北村と園田だね。」

いつの間にか、隣に居た鈴ちゃんが言った。

校庭に視線を下ろし、軽く見渡しただけで、

恭一と隆志の姿が目に入ってきた。

「本当だ。」

5、6人で、ボールのぶつけ合いっこをして、

飛び跳ねるわ、逃げ回るわ

完全に、
『学校には遊びに来てます』と、言わんばかりだ。


「もう、全然、遊ばないの?」

「え〜、そうだね〜。」

「喧嘩でもしたの?」

「…クラス変わって、友達も変わったから。」

「それだけ?あんなに仲良かったのに…」

「だって、見てよ〜。痛そっ!こんな遊び方、やっぱり着いていけなかったって!」

「さすがの、みっちゃんでも?」

「あはは、やっぱり、相手は男だもん。」

「…あの頃さ、みっちゃんのこと、皆、悪く言ってたけどさ、本当は、羨ましかったんだと思うよ。」

「え?」

「なんかさ、兄弟っていうか、やんちゃ姫と護衛っていうか…
みっちゃんは、守られてる様に見えたんだよね。」

「うっそ!きょーちゃんにも?」

「二人にだよ!
あ〜、でも、北村のほうが、ボディーガードっぽかったかな。」


(そんな風に見られてたんだ…それじゃあ離れて行くはずだ…)