結局、隆志を含む、何人かの男子は待たずに、縁日へと向かった。

「奈央ちゃん、残念だったね!」

「だから違うって!」

「電話して呼んであげよっか?」

「しつこい!」

「まあまあ、照れないでいいからぁ」

「ホントにやめて!来ないのには理由があると思うから…」

「……ていうか、うちら、あの団体と一緒に居なくてもイイと思わない?」

奈央の必死さに驚いた私は、誤魔化しついでに、単独行動を提案した。

「確かに!」


お好み焼きを買って、境内の階段に腰掛けて食べながら、

新キャプテンの新井さんに対する、奈央ちゃんの愚痴を聞いていた。

「私達、こんな調子で振り回されるのかなぁ?」

「あのふたりがつきあってるなんて、全然知らなかったよ!」

「うまく出来た話だよね」

「でも、新井さんはキャプテンにむいてるよね?あたし、前に…(そうだ、クラスのトリマキ女達の件で、気に掛けてもらったことがあったっけ)」

「ん?」

「アドバイスしてもらったことがあったから」

「ふ〜ん。」

「不満そうだね。」

「園田のことが好きだったのに」

「…誰が?」

「新井さん」

「え?」