そしてコワイくらい、
楽しくて幸せを感じれる日々が流れていた。


ある日の帰り道、
家に着くまでに、恭一が間に合わなかった。

そんな日もあることくらい、承知してはいるけど、少し気になり、
次の日、恭一のクラスを覗いた。

でも、姿は見当たらず、戻ろうとした時、
そこに恭一が立っていた。

「どした?」

「ううん。昨日は、間に合わなかったね。」

「ワリィ、長びいて」

「何かあったんじゃないならいいんだけど。」

「…なら、電話しろよ。」

「だね。…そうする。」


その時、周りの視線を感じた私は、
早々と自分の教室へと戻った。


その日、部活に行く更衣室にて、
恭一と同じクラスで、バスケ部の新井さんは、こう話すのだった。


「うちのクラスには、北村のトリマキみたいなのが居てね、彼女達からしてみたら、恩田さんは、その…」

(なるほど!だからさっき、変な視線を感じたんだ)

「ほら、園田も同じクラスだから。」

「え?隆志が何?」

「…恩田さんは、北村に乗換えたって、皆、そう思ってるからさぁ。」

「はあ?」

「正直言うと、私も、恩田さんと園田は、幼なじみとは言え、何かあるって思ってたし。」

「そうなの?」

「それに、彼女達は、北村が落ち着いたのがつまらないみたいで、それも全部恩田さんのせいだって!」

「そんな!」