「これ、おまえが選んだの?」

「うん。」

「隆志のも?」

「それは鈴ちゃん担当」

「…ふ〜ん。」

「うん。」

「喰ってイイ?」

「いいよ!早くみてみて」

私も、チョコレート見たさに、
恭一の隣に腰掛けた。


「ウマそ〜!」

そう言って
一粒を口に頬張る恭一との
久しぶりの会話と、笑顔につられ、
緊張がとけた私も、自然に微笑んでいった。

「ウマイ!」

「ホント?」

「うん。…食う?」

「うん!」

恭一は箱ごと差し出し、
私も、遠慮なく、一粒口へと運んだ。

「ホントだ美味しい!やっぱり正解だった!」

「自分からくれておいて食うか〜普通。」

「へへ、これが狙いだったんだもん。」

「自分の分、買えよ。」

「全部は太るから。たー君のはどんなかな〜?」

「…鈴木ってさぁ、隆志のことが好きなの?」

「え!ちがっ、…だから、義理チョコだって…」

「わかったわかった。」

「ホントだからね〜!あーもう、鈴ちゃん何してるんだろ〜?」

「隆志もここに来るの?」

「そうなんだけど…どうしたのかな〜?」

「…」

「ねえ、“隆志”って呼ぶようになったんだね。」

「もう、随分前からだよ。」