(いざとなったら、鈴ちゃんに渡してもらおう…
言い出しっぺなんだし、
何て言って渡したらイイのか、分かんないし…
あ〜、どうしてこんなことに〜)

歩きながら、そんなことを考えては、
足を止め、ため息を吐いた。


一番近い私は、
やる気満々と言わんばかりに
一番乗りで着いてしまった。


公園の中に入るのは久々で、
子供ながらに、懐かしく思いながら、辺りを見渡すと、
滑り台に目が止まった。


歩み寄って行った時、

「おい。」

後ろから声がして、
振り返ると、恭一が居た。


不意打ちだし、
久しぶりで、緊張した私は、

「あ、あとね、鈴ちゃんが来るの。」

シドロモドロに…


「ああ、電話きた。」

「だよね…」

「…なに?」

「え、あ、なんか、懐かしいよね〜ここ。」

「あ?」

「見て、滑り台って、こんなに低かったっけ?」

「…こんなもんだろ」

「たー君が落ちて怪我したよね。きょーちゃんの真似してさぁ。」

「あー、あったなぁ、そんなこと。」

「公園も、もっと広かったような気がしない?」

「…そんなことで呼ばれたの?」

「え、…と…」


私は、チョコレートの入ったポーチを、ギュッとにぎりしめた。