あれから、慶太とは連絡がつかなかった。

携帯にかけても出ないし、かかっても来ない。


バイト先に行けば会えるかもしれないが、勇気がなかった。

それは自分の非を認めているから…


(レナちゃんなら、何か聞いてるかもしれない!)


いつかの彼女のように、学校でレナを必死に探した。

「あ〜、みっこちゃん!何?どうしたの?」

「ども。(この様子じゃ何も知らないのか?)」


でも、こっちから聞いたら、
まるで私が慶太に夢中みたいに映ってしまうので、
とりあえず彼女の話につきあっていた。

「え、聞いてないの?」

「う、うん。まだ…」

「そっか。ちょっと早いけどクリスマスパーティーだって。ホントのクリスマスは、ふたりでね〜。」


思惑どおり、レナはペラペラと話しだした。

「レナちゃん行くの?」

「そのつもり〜。」

「じゃあ、一緒に行かない?」

「は?ケータ君と行けばイイじゃん!」

「ん〜、前のパーティーの時、もう誘わないでって言っちゃったから…内緒で行って驚かそうかと思ってさ!」

「それイイ!喜ぶよ〜!あの日のほったらかし様はヒドかったもんね〜。」

「でしょ!あのあとモメちゃってさ!」

「オッケー!じゃあ内緒ってことで、りょうちんにも言っておくよ!」

「ありがとう。」


驚くほどスラスラと、口から嘘が出てくる自分に、
悪魔は舞い降りた。