―ピンポ〜ン〜!―

「もう〜!なぁに?こんな時間に〜。」


楽しみにしているドラマの最中、
知ってるはずなのに、訪問してきた隆志に、
不機嫌に対応する私。


「おまえ、なんか隠してる事ない?」

「…何が?」

「今日、見たよ。あれから電車に乗って行くとこ。」

「…見張ってたの?趣味悪い!」

「あの男は何者?」

「…」

「随分と親しそうだったけど。」

「もう!なんなの〜!隆志は知らない人だよ〜。」

「だから聞いてんじゃん。」

「…」

「俺には言えない様な奴なの?」

「…ちょっと、中に入らない?」


(これは、ドラマどころでは無いか…)

話が長くなりそうで、
玄関先から、自分の部屋に移動すことにした。


「あら、たーくん。いらっしゃい。」

「お邪魔します。」

「部屋行っちゃうの?」

「うん。飲み物とかは、いらないから!あとで、ドラマの内容教えて!」

母一人が、リビングでテレビを独占することになった。


「で?」

「彼とつきあってみようかと思って。」

「なんで?」

「言われたから。」

「そうじゃなくて!」

「…」