「レナ!」

「あ、りょうちん!」

(しめた!名前はレナか…)

「ねぇ!ケー君が言ってた、みっこちゃん!」

「お〜!やっと会えた!」

「どーも、恩田です。」

「そっか〜、君がぁ。」

(なんだ?何を聞いてると、こんな反応になるんだ?)


レナの彼氏はジロジロと見てくるが、
その視線はとても優しく、
良い人だということは、すぐにわかった。


「会えると思わなかったから、ちょっと感激だな〜。想像とは違ったけど。」

「…どんなですか?」

「勝手に、アイドルっぽく想像してたから。」

「?」

「ほら、君には彼氏が居ただろ?…仲の良いふたりの様子を見て、かなわないって聞かされてたからかなぁ?」

「はぁ…」

「そのうち、ふたりの姿をピタッと見なくなって、アイツ、そりゃあ心配してて。」

「…」

「ある日、電車で君を見かけて大興奮してさ〜。俺がけしかけたんだよ…制服から知り合い探して、きみの学校と合コン。もちろん君の姿は無くって…そしてその時、僕はレナちゃんを射止めたってワケ!」

「じゃあ、あたしとりょうちんを引き合わせてくれたのは、恩田さんってこと〜?やだー!お礼しなくちゃ〜!」

(そんなことはどうでもイイ!ただ、この“りょうちん”の話は、自分のことながら興味深いや。…あたしときょーちゃんは、はたから見たら、そんな風に思われてたのかぁ。それにしても、慶太って…どうゆうつもりなんだろう?)