「なに笑ってんだよ!」

「だって〜。言うことがクサいんだも〜ん。」

「泣かしちったと思ったからよ〜。」

話しだすと、
くだらない会話のやりとりが楽しかった。

「でもホントのことだろ〜。…もう、ヤツとは作れないんだし、誰かと作らなきゃじゃん…思い出。」

「…どんなもんか、お手並み拝見だね。」

「おお。俺たち、絶対上手くいくと思うんだ!…マジで今度、海に来いよ!楽しいからさ〜!」

「新しい世界に連れ出してくれるってワケだ!」

「そう!俺と出逢った時、その扉は開いたのさ!」

「…そうなんだ…」

こういうノリはキライじゃないし。

「ノリわりーなぁ。まあ、いいや!とにかく、仲間に紹介するよ!」

「紹介?なんて?」

「それは…今は友達の、みちこちゃん…?」

「ぷっ!」

「じゃあ、なんて言えばイイんだよ?」

「今は友達のって、いらなくない?」

「じゃあ、俺のことは、なんて呼ぶ?」

「…寺岡くん」

「名字かよ!」

「友達だから。」

「…俺は、“ケータ”とか、“ケイ”とか呼ばれてるけど。」

「あ、そ。」

「…あの男…“みっこ”って呼んでたよな…」

「隆志?」

「あいつと同じ呼び方じゃムカツクから…“みち”って呼ぶよ俺!決めた!」

またも、恭一と同じ台詞に、
久しぶりに、胸がキュンとしたのだった。