「苛々って言うのは、ムラムラを我慢することじゃねーぞ!そんな、真顔になんなよ…」

「はぁ?」

「あ、キレキャラってことでもないから!」

「わかってるよ。」

「ホントだろうな〜?ここ大事なとこだから。」

「じゃあ、何を頑張るの?」

「そうだなぁ、俺のこと知ってもらうために、頻繁に会って、回数重ねないとなぁ…あ、Hの回数をじゃないよ!」

「あのさ〜」

度々入れてくる下ネタにも、イラつかない自分に驚く。

「俺、サーフィンやる人なんだけど、そういった人種とのつきあいは?」

「クラスメートには居たけど、あんまり関わったことないなぁ。」

「もったいねー!こんな良いとこ住んでんのに。」

「…この辺の人じゃないの?」

「お、興味わいてきた?」

「あ、やっぱりイイ!聞かない!」

「俺、浜っ子だから!」

「…見えないね。」

「だろ!だから、この辺に出没すんだよ〜」

「迷惑な話だ、まったく!」

「今度、見に来いよ…サーフィンやってるとこ。」

「見せれんの?」

「ホレるよ…マジで!」

「じゃあ、やめとく」

「コワいんだ〜!俺の虜になりそーで。」

また、頭を傾げながら、
私は、海へと視線を移した。

「いつまで、その殻に閉じこもってるつもり?」

「!」