考えていけば、次々と思い当たる点が…


やたら、目が合うワケも
自転車の二人乗りの奴の事も
トイレで会った女の子の事も


やっと、すべてが繋がった。

自分の鈍感さを、
つくづく思い知らされた。


自分の理解力より、
噂の方が勝手に膨らんでいき、

当の本人は付いていけずに、驚いてばかりだ。


なんと、噂では、
私と木村くんは、すでにもう、

つきあっていることになっているらしい。


あやかろうと、近づいてくる女の子達。


今や私は“恋の先駆け人”となってしまった。


もちろん、自分ではそんなつもりは無いし、

なにより、初めてのことに戸惑うばかりだ。



私を見かける度、
バトンタッチの真似をする、
あの二人乗りの奴らにしても、

ジロジロ見ては、クスクス笑う、
下級生の女の子達も、


もう、ウンザリだった。