自分でも、『コレはない』と思ったのは、

恭一が慶太の身体を借りて、メッセージを伝えに来たのでは?とさえ考えたこと…。


『隆志だけはダメだ!』なのか、
『隆志を解放してやれよ』なのか…。


(どうかしている。)


しかも、今まで散々、
恭一への私の気持ちをサポートしてくれていた、隆志にではなく、

慶太に都合良く、解釈している自分に気が付いた。


(やっぱり、この罪悪感は、確実に隆志にだ。)


私の中には、
隆志とつきあうなんてことは、
もともと無いことだ。


(あたしって嫌な女?もう、隆志を利用するのはやめなくちゃ。
あの男にも、きちんと言って断ろう。)」


そして、私は立ち上がった。


履歴が残らぬ様、公衆電話からかけるつもりで外に出ると、

気が付けば、
足は勝手に、慶太のアルバイト先へと向かっていた。


この数日、自分で自分が、分からないことだらけだった。


一度、地図を見ただけで、
私は正確に、目的地へと進んで行くことができる。


なぜならば、そこは……


「あれー!どうしたの?」

偶然にも、店の前で立ち話している慶太と遭遇。

「普通、先に電話してくるっしょ!」