「アイツ、おまえを驚かすんだって、迎えに行くところだったんだよ。」

「…バカなんだから…なんでそんなこと…」

「少しでも早く、おまえに会いたかったんだろ。」


泣きだす私を、慰める隆志も、
必死に涙を堪えている様だった。


「恭一と、話したって?…夢で…」

「…そうなのかな?ただの夢じゃ」

「そうだよ!よっぽど、おまえに会いたかったんだなぁ…俺のとこなんか、来やしねーよ。」

「でも、最後の…きょーちゃんと会って話してんじゃん。」

「まあ、そーだけど。」

「いいじゃん!その方がずっといい!」

そう言って、母が持ってきてくれた、携帯電話を手に、続けた。

「あたしなんか、前の日だよ!しかも、どーでもイイ話ばっかり…最後のやりとりはメールだし…」

そして、ハッと気がついた。

「どうした?」

「あたしのメールって…最後、届いたのかな?」

隆志はため息を吐くと、首を横に振り一言。

「開いてなかったらしいよ」

「そうなの?じゃあ、きょーちゃんが最後に見たメールは何?」

画面を覗く私の目に、映った文字は、

『了解!今から部活です。帰る時、またメールしま〜す。早く会いたいな(^_-)』

「だから、きょーちゃん、急いで…バイクなんか」

「違うぞ!アイツの考えで、おまえのせいじゃ…」

「…」

「みっこ?」

「事故って…何時に起きたの?」