「なんで?今、どこ?」

「ごめんな…未知…」

「少しでも良いから会おうよ!」

「無理なんだよ。ごめん。」

「え?だって、今何時?」

「じゃあな。未知…」

「ちょ、待ってよ!」

「未知…未知…子。」

「…」

「未知子!」


ハッと目が覚めた。

「あたし、寝てた?」

「うん。今…電話があってね」

「あはは、それでか〜!夢の中できょーちゃんと電話で会話してたよ〜。」

「…そう?!」

「うん。夢でも待ってるなんて、あたしって健気だと思わない?」

「…」

「あれ?電話は誰?」

「園田さん家。」

「隆志?」

「…未知子。しっかり聞いてね!あのね…」


母の言ってることが理解出来なかった。

「え?隆志が事故って、家に隆志が居て…」

「免許が見当たらなくて、バイクのナンバーで身元が判明したけど、たーくんは貸してただけで、」

「それがきょーちゃんだっていうの?」

「たーくんも認めて、」

「だって、電話くれるって!」

慌てて携帯電話を取出して開いた私は、

「ほら、メールが来たんだから!」と、

母親に突き出した。

が、そんなの、何の根拠もなかった。