こうして、ふたりは結ばれた。

急な展開だったけど、決して、軽い気持ちなんかではなかった。

キス以上の行為を意識しはじめた、
あの時から数か月、

恭一の、私を思ってくれる気持ちは、痛いほど感じていたし、

今の、抑えきれなくなるほどの気持ちに、応えてあげられるには、

これしかないと、決心した瞬間だったのだ。

それに、ついさっき、
恭一に遠ざけられた時、

なにより、“受け入れてモード”になっていたのは、
私の方だったかもしれない…

作戦とは思わないが、してヤラレたかな。


しかしそれは、
私が観ていたマンガやドラマでのものとは、
かなり違うものだった。


「ごめんな。痛かっただろ?」

「う・ん」

つい、本音が出てしまうほど…

すると恭一も透かさず、

「俺も、背中がイテぇや。」と、言い返してきた。

「え?」

「お前、スゲ〜力でしがみ付くからさ〜。」

必死だった自分のことを思うと、
急に恥ずかしくなり、手で顔を覆った。

「なんだよ、隠すなよ。」

その手を解いて、私を正面上から見下ろす、
初めて見るアングルからの、恭一の顔をみつめると、

なぜか、涙があふれてきた。

「どうした?ごめん!」

「ううん、違うの!こんなに大切な事…(そして、はずかしくって、大変な事)きょーちゃんで良かったって思って…」