次の日の日曜日、
バスケ部のお別れ会が催された。


その日は朝から後輩が、
家庭科室でカレーライスを作ってくれていて、

のちに、体育館で
3年生対現役生の対抗試合を行い
半年以上のブランクの差を思い知らされたあと

皆でカレーを頬張った。


それまで私は、
奈央が隆志に近寄らないことに、まったく気が付いていなかった。


「ねぇ、奈央ちゃんとなんかあった?」

私はあえて隆志に聞いた。

「…そうゆう空気、読めるようになったんだ?」

「あたしだって、成長してますから。」

「学習は得意だもんな。さすが秀才!」

「天才と言って!」

「じゃあ天才、ソレは、本人から聞いたほうが良くね?」

「…だね。」


そう、奈央は卒業を間近にして、
隆志に胸のうちを告げていたのだった。


隆志の言うように、
あんなに鈍感だった私は、
恋をしてから、そういった空気に敏感になっていた。



「ホント、隆志は一途と言うか、頑固と言うか…一度つきあってみれば良いのに〜」


お別れ会から、直接、恭一の家に行った私は、

昨日、仲直りをしたと聞いた途端に、隆志の話題を持ち出した。

これでも気を使っているのだ。


「奈央ちゃんに悪いと思うのかな?」