「何、言ってんの?」

「自分で切り開いて行かなくちゃならないあたしが、きょーちゃんの推薦決まった学校を受験すれば良いんだよ!」

「あのさ…もっとちゃんと考えた方がイイよ。」

「ちゃんと考えてるよ。文化祭よりも前からずっと…だって、きょーちゃんのそばに居たいもん。」

「お前こそ、いくらでも良いとこ狙えるんじゃねーかよ。」

「全然!」

すんなり返す私に、ため息をつきながら

「言わなきゃ良かった。」と、

頭をかいて、自分の部屋に向かう、恭一のあとを追いながらも

「ホントだよ!あたし、きょーちゃんと同じとこで、」

「そんなの、親や本多が反対するに決まってんだろ。」

「そんなの関係ないよ!」

「あのさぁ!…俺、着替えたいんですが。」

「あ、ごめん。」

ドアを閉められた私は、
リビングに戻りソファーに腰掛けた。

しばらくして、着替えて戻って来た恭一は、

私の横にドスンと座り、
右足は下ろして、
左足はソファーに立て足をつき、
左腕を背もたれに掛けて
こっちを見つめてきた。

「なによ?」

「そんなにホレんなって。」

「ムカつく〜!」

「だってそうじゃん。」

「きょーちゃんほどじゃないよ。」

「そのと〜り!」

「あは、児玉きよ…」

恭一の唇が、
話している途中の私の口を覆った。