「怖いな〜。なに?」

「おまえ等は、もう高校は決めてんのか?」

「これから…」

「なんだぁ。ふたりで一緒にって、考えてるかと思ったんだが…そっか〜」

「なんなの?」

「北村に、スポーツ推薦の話が有りうるとおもってな。」

「…」

「確かに、お前と北村じゃ、学力に差があるしな〜、でも、アイツの、いざと言う時の底力は、並大抵のものじゃないからなぁ…」


そんな話のあとの花火は、
ちっとも、楽しめなどしなかった。

「暗れーな、線香花火かよ。」

そんな様子を、恭一に見つかり、

「だって、好きなんだもん!」と、

何食わぬ顔で言い返した。

「告白かと思ったゼィ。」

「ば〜か。線香花火の事だよ。」

「…さっき、本多と話してたろ。」

「あ、うん。」

「何の話?」

「うーん。」

「…なんだよ?気になるだろ。」

今はまだ、何とも言えない事だけに、
私は言葉につまっていた。

(あたしもだけど、きっとまだ、受験だなんて考えたことないだろうし…でもこれは、恭一にとって、将来にも関わってくる重大な問題であって…まずは、担任を挾んでの家族会議的なものがあってから…)

「おい!」

「ああ、…あのね。」

私は、本多を見ながら話をはじめた。