その週末、
選手達を集め、最後のミーティングとして、
本多先生の、実費で監督のもと、
バーベキュー大会が行われた。


練習中に協力してくれていた、コーチ陣が仕切り、

和やかに時間が過ぎようという頃、

「たくさん食ったか?」

本多が笑顔を振り撒きながら近寄ってきた。

「ご機嫌だね。」

「そうさ〜。こんなに楽しいことは無いさ。」

「ホント、楽しそう。」

「選抜では逃したものの、北村なら、この先いくらだってチャンスはある!将来有望だな!体力に伴う精神力、それにあの判断力と決断力には脱帽するよ!」

「ベタ褒めじゃん!」

「だって、あの歳で凄いことだゾ!アイツがもとから持っていたもので、俺なんか何もして無いが、
お陰で俺も、やっと、この学校で認められた気がしてなぁ。」

「へー、大人になっても、そんなの気になるの?」

「当たり前だ!この俺だってなー。」

「そこまで言ってないよ。」

「…大人だって子供に教えられて、感謝することがたくさんあるもんだな。」

「へ〜。」

「恩田…色々助かったよ!ホント有難うな!」

「あたし?」

「先生一人じゃ、アイツを扱えなかったよ。園田にしても、幼なじみってだけで、たいした絆だよ!」

「隆志が、なに?」

「お前さんを陸上部にって、アレは園田の案だ。」

「そうなの?!」

「お!言っちゃマズかったかな?」

「あー、いえ…大丈夫。」

「でな。これこそ内緒で相談なんだがな。」