「ルカ」
目を上げる。
呼ばれた理由はわかってる。
そして声の主も。
千里だ。
「ルート科昇進おめでとう…」
ルート科か…。
今この国には魔物が息づいている。
この魔物を倒すべく、作られた組織がある。
リフレクト…影と呼ばれる組織の中でも高い戦闘力を持つ10組を集めた科をルート科と呼んだ。

「…ありがとう」
私はこの夜を生きる為に何でもする。
「千里…頼みがある」
「何だ?」
「ルート科はペアを組まないといけないのだろ?」
「そうだね」
「私には必要ない」
「え?」
彼の瞳は不思議な色をしている。その目が私を驚いた感じで見た。
「ペアは必要ないと言っている」
「それはルート科の規則だ…守ってもらわないと」
返答は予想ついていた。それでも私は曲げなかった。「わかってる…かつてお前はそうだった」
「それは…俺は監査みたいなものだったからだよ…でも」
知的な容姿に考える風貌は似合っていた。
私は静かに続きを待つ。 「…ルート科のトップに立てばいい……でも、君はリフレクトに入ったばかりの新人…それがたった3ヵ月でルート科入りした。それだけで異例なのに…すぐにトップとなんて…」
「…どうしたら、トップに上がれる?」