「無理だよ」







「やる前から無理なんて言わないの!わからないじゃん!」




梨香の涙いっぱいの
瞳を見て



あたしは何も
言えなかった…。








――――
――……





「そろそろ教室行く?」





気がつくと3時間目が
終わる時間になっていた。




「………」


返事ができないあたし。







「大丈夫。結衣には梨香がついてるよ?」



そう
あたしの手をそっと

握ってくれた梨香。







あたしは






『大丈夫』





と自分に言い聞かせながら









教室に向かう。