「あ、あとよくは聞こえなかったけど、理事長がどうのこうのって…」
俺が答えて彼方の顔を見ると、彼方の表情が少し雲って見えた気がした。
俺が不思議そうに彼方の顔を眺めているとパッと目が合った。
すると彼方はくすっと笑うと、目線を反らし呟くように口開いた。
「…ふふ。あの貧乳処女でも、さすがにそこまでしかたどり着かなかったみたいだね。まぁ、そうでないと僕が”あいつ”に黙ってるわけないけど…。」
(;^ω^)え?
それってどういう意味だ?
あいつって?
「で、聞いたのはそれだけ?」
「う、うん…たぶん。」
まぁ、他にもいろいろと聞かされたけど、もう答える必要はないよね。
その前に本人目の前にして聞けないし。
「へぇ。じゃあ、僕と観奈のことは?」
( ゜∀゜)・∵ブハッ!
俺が言う前に自分でストレートに聞いてきやがった!
「まぁ、あの貧乳のことだ。そこまではさすがに分かってるはずだろう。ねぇ、遥。そうでしょ?」
彼方が耳元でそう言った瞬間、俺は顔を伏せるように彼方のいる反対側に首を回した。
うわっ!どうしよう。( ̄▽ ̄;)
なんて答えればいいんだよ?
「…あ。それは、えっと、その…。」
俺が動揺しながらずっと顔を伏せてあたふたしていると、彼方が俺の頬をムギュッとつまんで引っ張った。
「やっぱ、他にも聞いてんじゃん!!」
そのまま、彼方に頬を引っ張られる反動で、伏せていた俺の顔の方向は元に戻される。