「な!何馬鹿言ってんだ!だからそんな妄想…」
彼方がそう口にしたその瞬間、西川さんは彼方の額にサッとどこからか取り出したハンカチを添える。
「あら?腹黒王子…冷や汗流れてますが?」
「はっ…」
彼方の体が硬直すると、西川さんはまたもニヤニヤと笑みを浮かべた。
「ふふふ。まんざら私の妄想は外れてはいないようですね。」
「貧乳処女…貴様!」
彼方は西川さんのハンカチを手で振り払うとさらにきつく睨んだ。
「あら〜ん。悔しかったら、私にあなたの部屋の中を見せてから反論してくださいな。」
「ちッ…。」
「おーほっほっほ!やはり西川の妄想は完璧なのです!おーほっほっほ!」
何も反論しない彼方に完全に高笑う西川さんであった。
なんだかなぁ(・ω・;)
今回の彼方VS西川さん戦で完全に押されてる彼方を見て、なんとも言えない気持ちになっていると、西川さんが突然俺たちに一礼した。
「うふ。ま、そんなわけで腹黒王子にひと泡吹かせたことだし、私はこれにて失礼させていただきますわ。」
顔を上げた西川さんは、満足そうにニッコリ笑った。
「ふーん。あっそ。さっさと消えろよ。これ以上お前がいると僕の時間がもったいない上疲れるとちょうど思っていたところだよ。」
彼方は、少し勝負に勝って挑発的な西川さんにはまったく動じず、犬を追い払うように手で仰いだ。
「くっ。いちいちムカつくわね。まぁ、いいわ。負け犬はそうやって、勝手に言ってなさいな。」
西川さんは、フンッと鼻を鳴らすと腕を組んで彼方を睨む。