さらに近付く高木先生に、壊れそうなくらい脈だつ私の心臓。


何?!!この空気は、もうダメ!


両手で先生の頬を挟むようにして、パッチーン!!!

と思わず叩いてしまった。


「す、すいません!!…心臓が壊れそうで、つい…!」

自分でも何言ってるのか分からないくらいパニックで…。

先生:「いてて、悪い。ちょっと飲み過ぎたか…、」

そう言って、先生は立ち上がり自分の頭をくしゃくしゃしながらキッチンに行く。


その背中を見て、まだ治まらないドキドキする胸に手を当てて落ち着かせる。


な、何だったの…?

先生、お酒飲んで酔ってるの…?

水をゴクゴクと飲む先生。やっぱり酔ってたんだ。

まだ、熱い自分の体、頬も…。何が起きてたかさえ…あやふやで。


先生:「吉崎、肉じゃが作りかけてたのか?」

何事もなかったように話す先生に少しビックリして、

「あ、はい…。」


先生:「…続き、作ってくれよ。」


何だかやっぱり、ちょっと変だよ先生。


「でも先生、食べて来たんじゃ…。」


先生:「まだ、お腹減ってんの!これ火付けたらいいのか?」

「あ、はい!そっち行きます!」