高木先生Side
めったに笑わない林田が、笑っている。
吉崎と何か関わり、あったか?
驚きつつ、吉崎と林田を見る俺には、不思議な光景だった。
林田は、3年間俺が担任を持っていたなかなかの問題児だ。
悪い奴じゃない。家庭環境が複雑で、グレてんだ。何を言ってもやる気を見せないし、ああやって笑った所も…。
三浦先生:「高木先生、今から3年生の会議があるそうです。」
不意に三浦先生の声にハッとし返事をして会議室に向かう。
多分、担当科目や、3年生の受験のこととかだろう。
会議室に着き、適当に席に座ると主任の滝沢先生がプリントを配り始める。
滝沢先生:「1枚目は担当科目の配分です。数学、物理、化学、生物の理系科目担当教員は、大変ですが1・2・3年を担当してもらいますのでよろしくお願いします。」
俺の名前の横には、3年は数学担当。2年は物理と数学、1年は化学。月曜〜金曜の1〜6限までギッシリ詰まっていた。
同じ理系担当教員の三浦先生も大変そうだ。
忙しくなりそうだな…。