「…ちょっと恥ずかしいんですけど…はい!」
高木先生を思い出すと、顔がにやける。
三浦先生:「ありがとう。…良く分かりました。…もう、戻っていいですよ。」
背中を向けた時から、目を一度も合わそうとしない三浦先生。
そんな三浦先生を不思議に思いながら、
「えっと…?じゃあ…真梨奈達も待ってるので…すいません、戻りますね。」
そう言ってカチャッとドアを開け、
ふと言い忘れたことを思い出し、
もう一度振り返ると、三浦先生と目が合った。
その三浦先生のあまりに悲しそうな瞳に、言葉を失った。
三浦先生:「っ吉崎!!」
グイッと引っ張られ再び三浦先生の腕の中へ包まれる。
トンッと、三浦先生の体を押して、三浦先生から離れた。
「ご、ごめんなさい。…えっと…三浦先生、難しい化学教えてくれてありがとうございます。化学の面白さ、少しは分かったような気がします。…では、また会う日まで。」
何となく、三浦先生の気持ちを察してしまった私は、最後に"言い忘れてたこと"を言って頭を下げた。