3月9日―…
とうとう迎えてしまった。
目を開けると、高木先生の腕の中。
「っ!!」
びっくりして、大声を出しかけて、グッと止める。
だって、高木先生が寝てる。
暖かくて、ずっとこの中にいたくて、寝息を立てる高木先生を起こしたくなくて。
離れたくない。
高木先生の体に顔を埋める。
フフッと一人笑って、…泣きそうになる。
もう、卒業するよ、私。
先生、好き、好きです。
心の中で何度も何度も
先生に訴える。
ガッチリとした腕をソッと触ってみる。
堅い!
男の人の体って筋肉だらけ。
脂肪だらけの自分のお腹を摘んでため息が出る。
顔を上げて、先生の寝顔を見る。
大人しくしててくれたら可愛いのになぁ。
起きたら、何されるか分かんない。
だけど、何だか、ムズムズしてくる。
ソッと手を伸ばして、高木先生の頬をツンッとしてみる。
起きない。
先生の鼻をチョンチョンと突いても、起きない。
触れたくて
触れたくて
頬を撫でてみる。
起きない。