玄関を開けると、オレンジ色の光を一面に浴びた街並みが広がる。

光の中心部が、赤く染まり、ゆっくりと沈んで行く。


凄い、思った通り……。


「綺麗……。」



先生:「吉崎。お出迎えか?(笑)」

聞き慣れた声にハッとして、向く先には、オレンジ色の高木先生。

にって笑う先生が、いつもと少し雰囲気が違って見えた。


「ち!、違います!!」


先生:「ははは!吉崎って、ロマンチックなんだな!(笑)」


「…、…。」


そうやてからかうんだ先生は。


プイッとまた視線を景色に移す私に、ふふっと笑いながら私の隣に並ぶ。


不覚にも、ドキッとしてしまった。

傍に来すぎ…。先生のバカ。


ドキドキが止まらない私は、必死に落ち着けって心に言い聞かせたけど…。



赤く染まってしまう頬が、何だか悔しかった。


光が徐々に、減っていき暗くなっていく。夕日が沈んでいく。


「何だか、切ない…。」


ポツリとぼやいてしまった私に、隣で、ふっと笑う先生が


先生:「中、入ろう。」


そう言って、大きな手で私の頭をくしゃくしゃにして家に入っていった。