高木先生 Side
もうすぐ5限が始まる。
1年の奴らに一通り教えて、ずっと吉崎が三浦先生の所へ行ったことが気になっていた俺は、数学準備室へ足を運んだ。
まぁ、さすがにもういないだろう。
5限も始まるだろうし。
吉崎も、もう教室だろう。
そんなつもりで、軽く数学準備室のドアをノックして開けたんだ。
俺の目に映る、三浦先生と吉崎の少し赤くなった顔が俺に気付いて、離れ合う2人………。
何だ、この甘い状況。
吉崎:「あ!もう5限始まる!も、戻りますね、すいません。えっと!三浦先生、あ、ありがとうございました。」
ポカンとしていると吉崎が、慌ただしく一礼して部屋を出る。
三浦先生:「あ、ああ!すまない。…えっと、高木先生…探し物ですか?」
「あ、ああ…。ちょっと用があったんですけど、もう5限のチャイムなりそうだし、また来ます。」
そう言って俺も、部屋を出る。
それにしても気になる。
何してたんだ?
何で2人とも赤くなってんだ?
まさか、佐伯に続き、三浦先生までも?
掻き乱される心臓が、何とも言えない。