そんな高木先生を見て、良かったって思った。



怖くて、辛い過去を乗り越えてきた高木先生と出会えた今がある。



高木先生に少し近付けた気がした。




知るのが怖かったけれど、知っておいてもいいよね?




変わらず、私は先生を…―



ビシッと背筋を伸ばして、焦りながらお父さんと何かを話す先生に、思いっきり抱きついてやった。


高木先生:「なっ!!!吉ざ―…、あ!いや、何にもありませんよ成雪さん!はい、ええ。もちろんです!」



暖かい。先生は暖かいよ。



お父さんに何言われてるか知らないけど、困り果てる高木先生も好き。



全部全部!!






生きていてくれて、ありがとう。




高木先生になら、傷付けられてもいいくらい私の気持ちは溢れていた。






寒い道で、どうやら高木先生はお父さんに何故か怒られているよう。


高木先生の慌てて謝る声が、先生の体から声の振動と共に聞こえる、…私は先生にひっついたままクスクスと笑っていた。





そんな、暖かな夜。寂しい星空も、ちゃんと道を照らしてくれてる。