「先生、今日はどこ行くんですか?」



先生:「仕事!休日出勤だ。ほら、もうすぐ吉崎達も春休み近いだろ?それに、3年から受験生だ!」


「あ、そうだった…。」


何だかため息が出る…。



先生:「そうだ、吉崎の荷物明日取りに行こうか。空いてる?」


「あ、はい。空いてます。…でも、一緒に行ってくれるんですか?」


先生:「吉崎ひとりで運ぶのは大変だ。家具とか色々あるだろ?」


パンをかじりながら、

「…はい。そうでした。」


結局、迷惑かけちゃうんだ…、しょぼんと私は下に目をやった。



先生:「はは、(笑)何だ?どーした。成雪さんに聞いてなかったか?」


「へ…?」


先生の方に目を向けると、



先生:「俺には、いっぱい迷惑かけていいって。」


お父さんが、残して行った[注意書き]をふと思い出した。


「…あ、紙に書いてました。」


先生は、コクンとうなずいて残りのパンを一口で食べる。


そして、着替えてくる、と言って自分の部屋に入っていった。