勉強にまるで興味のなかった俺に最後まで付き合ってくれて…。




RRRRRRRRR…


ふと、携帯電話が鳴り驚きながら画面を見る。



[緒方成雪]



こんな時間に…。そっか向こうは海外…今どこ行ってんだっけ?


とりあえず、時差があるからな…。


RRRRRRRR…


画面に映る[緒方成雪]の文字をしばらく見ながら、ピッとボタンを押すと、成雪さんの元気な声が耳に届く。


成雪さん:「やぁ!高木君、元気かい?寝ていたかね?」


「いや、まだ起きてましたよ!」


成雪さん:「そうか!なら良かった。ちょっと報告があってね!」


「…報告?」


成雪さん:「うん。今飛行機の中でね。色々と海外を回ってるんだが、予定通り3月に帰れそうだよ!」



ああ、そうか…もう3ヶ月を切ったのか。


「日にちは決まってるんですか?」


成雪さん:「ああ!ちょうど出発して1年。3月9日の予定でね。」



「そう、ですか!」


成雪さん:「奈緒は元気かい?この前少し電話で話たんだが、面接に受かっただとか!合格は決まったのかな?」



吉崎、まだ言ってなかったのか?


「ええ無事、合格です。」