高木先生 Side
まいったな…。
どんな顔をすりゃあいいのか。
吉崎:「えっと…X’masにケーキ食べたから、続けてケーキだと重たいかなって思って、用意しなかったんです…。」
平静さを装う俺に、ダイニングテーブルの横でそう言ってほんのり赤くなる吉崎の顔。
本当は誕生日…なんて来てほしくなかったが…
吉崎に「おめでとう」なんて言われると、……嬉しいな。
「いや、嬉しいよ!ありがとう。」
照れくさいんだが。
くしゃくしゃと片手で自分の髪を掻くと、吉崎が嬉しそうに微笑む。
そんな顔されると、またいじめたくなってしまう。
まるで小学生だな…。
吉崎:「…それで…、」
キッチンの方へと吉崎が、俺の近くまでやってくる。
本当、弱いんだ俺…。
吉崎が来ると、平静でいられなくなる。
吉崎:「そ、それで、その〜…、えっと…。本当に何も思い付かなくて!」
「ん?何だ、プレゼントか?」
ほぼ冗談で言ったつもりだった。