今野 真梨奈 Side
対してやる気も出ないまま、12月を迎えた。
もう…入試まで時間がない。
だけど…やる気所か、もう就職先を探そうかな、なんて思いはじめていた。
朝の電車に揺られて、フッと思い出す。
この前、勝手に怒って教室を飛び出して以来、気まずくなってしまった。
奈緒も少し元気がないようだったけど、大丈夫そう。
はぁ、自分の先を早く決めて考えなきゃいけないのに、私ってば気付いたら、奈緒達のことばっかり。
フウッとため息をつき、学校前の駅に電車が止まる。
駅のホームで賢志の後ろ姿が目の前に映る。
げっ!!
同じ電車乗ってたんだ!!
何だろう、この急に賢志に弱くなる私…。
ばれないように、歩くスピードを落とす。
すると、賢志は急に立ち止まった。
げっ!追いつくってば!
気付かないフリをして横を通り過ぎよう!
横目で賢志を見ながら、隣を通り過ぎようとした時だった。