…―放課後。
HRを終えた後、一旦職員室に戻りまた、2組の教室に戻る。
ガラッと、もう生徒達は帰って誰もいないだろう教室の、ドアを開ける。
「あれ―…」
しかし、一人まだ残っていた。
「まだ残っていたのか、今野。」
席に座ったまま下を向いていた今野が頭を上げる。
今野:「…高木先生。」
珍しく元気のない今野が机に広げていた数枚の紙。
「…ん、どうした?こんな時間まで…。」
俺は、返事をして今野の机に向かう。
ガサガサっと数枚の紙をひとつにまとめて慌てて鞄に詰め込む今野。
今野:「や!何でもないです!なーんか、ちょっと…。じゃ!先生、また明日〜。」
そう言いながら笑って、教室を出ていく今野。
「おう!また明日な!」
と答えてフッと思い出す。
今日返した模試テストだったな、あの紙。