ああ…着替えたかった。


車に揺られながら、流れる景色を目に映す。



安西先生…ってどんな人なんだろう?



高木先生が昔のことを話し出すといつも安西先生の言葉が出てくる。



安西先生は高木先生にとって、ただの先生だけじゃなく、どこかでもっと深い繋がりを持ってるのかな。



そっと運転する高木先生を見る。


何だか少し嬉しそうに車を走らせる高木先生の横顔。




安西先生に会えるのが嬉しいのかな?



ハンドルを回す大きな手。
高木先生の横顔。


すると嬉しそうにしていた横顔が、キリッといつもの高木先生に戻ると先生の口が開く。



高木先生:「…吉崎、あんま見られると、運転しにくい。」



「!!!!!…あ、す、すいません!」



慌てて前を向く私。


見てたの気付いてたんだ!!

は、恥ずかしい!


かぁっと熱くなる頬を両手で押さえる。



パッと、窓の外を見ると目に映ったのは、大きな病院…。





え、てっきり、安西先生の勤めるどこかの学校か、安西先生の自宅を想像していた私は、ビックリして目を丸くさせる。