「うん…。…高木先生が…」
そう言いかけて、今度は私が黙り込む。
先生の"親に殺された場所"って。
だけど…その言葉が声に出せなかった。
安易に踏み込んじゃいけない所だって、そう感じた。
知りたいけど、何だか怖い。高木先生といつものように接することが出来なくなりそうな気がして。
お父さん:「…そうか。…た」
「あ、あのね!」
お父さんが何か言いかけたのを遮って私は話し出す。
「私、えっと…志望理由何て答えたと思う?」
いきなり話を変える私に驚きながらお父さんは口を開く。
お父さん:「何だろう?奈緒も先生になりたいのか?」
「なりたいって訳じゃないけど。だって、先生って大変そう。私、声小さいし、人の前に立つイメージじゃないもの。でも、人に教えるのは好き。友達が成る程って言ってくれるの嬉しいもん。」
お父さん:「そうか!いいじゃないか!じゃあ、何て答えたんだい?」
ちょっと照れ臭いけど、お父さんに聞いてほしい。
いつだって、プレッシャーに押し潰されそうだった。
頑張らなきゃって、しっかりしなきゃって。
ただ、認められたくて。