って…
「あれ?高木先生のこと、話したっけ?お父さん、知ってたの?私の学校の先生だって。」
お父さん:「あ、いや、それは前に聞いて…。それより、合格おめでとう!あと誕生日も!」
遅い。
前にってお父さんは高木先生といつ話したのかな?
高木先生のこと、色々知ってそうなお父さんの口調に気になることを聞いてみた。
「そういえば、お父さん、前に高木先生と昔ちょっとした知り合いだって言ってたよね?」
お父さん:「あ、ああ。…言っていたが…。」
「夏休みね、別荘行ったんだ。」
お父さん:「…。…聞いてるよ。私が、その場所に勧めたんだ。」
…聞いてるって。…そうだったんだ。
「…高木先生、その場所に来たことあるんだって。…昔…お父さんに助けられたんだって…。」
いつもお喋りなお父さんが、黙り込む。
言葉に詰まっているようにも思えた。
お父さん:「…。……。…高木君が、そう言ったのかい?」
少しの間沈黙が流れた後、お父さんの低く少し枯れた声が聞こえる。
いつもと違うお父さんの雰囲気に、少し言葉に詰まる。