…―面接結果通知日






「あ、お父さん?」



学校帰り、私は一人駅までの道を歩きながら携帯電話を手にし、話し出す。



相手はお父さん。



お父さん:「奈緒!久しぶりじゃないか!全然連絡くれないから待ってたんだよ!」


嬉しそうなお父さんの声が、何だか久しぶり。


「お父さんが連絡くれないんじゃん!」



お父さん:「…いやぁ。まぁそれはお父さんとしても複雑な心境なんだよ…。」



訳の分かんないことを話し出すお父さんを無視して、とりあえず報告をする。






「あのね。この間面接試験だったの。それで、今日…通知が来て、通ったよ私!」




お父さん:「え!?もうそんな時期なのか!?父さん知らなかったぞ?どこの大学行くんだ?」



「言うの忘れてた。…あのね。高木先生と同じ大学行く。お姉ちゃんみたいにすっごく有名って所でもないけど、…夢もまだ見付かってないんだけど…。」




お父さん:「そうか…。高木君、担任だったな(笑)"先生"なんて呼ばれているのか(笑)」



はははっと笑うお父さん。高木先生って言葉しか注目してない。私、後半、結構頑張って言ったのに。