ちょっと崩れちゃったオムライスをいつものようにガツガツ食べる高木先生。
私だけ、形を気にしてたみたい。
高木先生:「それより、吉崎…志望理由まだ決まってないんだろ?」
ギクッと"志望理由"という言葉に反応する。
「…まだ、ですね…。」
高木先生から目を反らし、目の行き場に困る。
高木先生:「吉崎がその大学決めた時のその決め手を話せばいいんだよ。」
決め手か…。
高木先生と同じ大学に行きたかったから…なんて、
目の前の本人になんて言えない!言えない!
「……………何とな〜くです…。」
高木先生:「…。じゃあ、とりあえず大学の良いところ探してそれ言うしかないか…。」
うーんと顎を手の平に置き考える高木先生。
先生は、こんなてきとうな私の答えにもまた次の案を一緒に考えてくれる。
普通は…、呆れるでしょ?
志望理由が「何となく」だなんて、ため息ひとつ出るじゃない?
あの先生は、ガッカリしたよ?
姉の方ができが良かったって言ったよ?
高木先生は…広い…広すぎるくらい大きな心を持ってる。