だけど、面接官が良く知った顔じゃ余計に緊張するというか、
言いづらいというか…。
ましてや、高木先生…。
はいっと返事をして教室のドアをノックする。
高木先生:「どうぞ。」
一定の高さで教室内から高木先生の声が聞こえる。
ガラガラ、とゆっくりドアを開け一礼。
「失礼します。」
かなり動きは緊張でギクシャクしながら、用意されている椅子に移動する。
真顔の高木先生。
完全に面接官になりきっている。
隣の三浦先生はいつもの表情。
いつも無表情だから、あまり違和感はない。
高木先生は、違和感だらけ。
色んな顔を見てきたけど、いつもにって笑ってくれるから安心してたのに、今は、顔色一つ変えず、質問される。
それに必死に答えていく。
高木先生:「…そうですか。では最後に、本学を志望された理由は何ですか?」
きた…志望理由!
どうしよう、ヤバい、
言葉に詰まる私を、高木先生は真っ直ぐ見つめる。
あの全てを見透かすような目が、私の心の内を見られているようで何とも言えなくなる。