そんな先生を見てると、お昼の出来事を思い出す。



「もう今日みたいに、いきなり崖からジャンプなんてやめて下さいね!」



高木先生:「…。暑くてな!海に入りたくなったんだ。…まさか吉崎も来るとか思ってなかったから、かなり驚いた。」


「……。ひとこと言って下さい。先生、死んじゃうかと思って…びっくりしたんですから。」


って!私…何言ってるんだろ。
慌てて先生から視線を外し、少し暗くなった海の方を向く。


空と海との境目が赤く、黄色く、光る何とも幻想的な景色に少し見とれてしまう。



高木先生:「…そうだな、昔は死ぬつもりで飛び込んだ時があったかな。」


「え!?」


ボソッと呟く高木先生に思わず振り返って聞き返す。



高木先生:「昔の話だ。…何か、吉崎がいると…教師でいられなくなるな。」


はははっと笑って私に背を向けた。


「へ?!先生、待って!」


慌てて、理解出来ない私は、高木先生の後を追う。



高木先生:「ほら、飯!!食べに行くぞ!」



そんな私の手をグイッと引っ張る高木先生の手に、ドキドキして嬉しくなる。




先生の手…大きいな。