もうすぐ日が沈む。
いやだよ。
次に太陽を見るのは明日、何て…。
高木先生:「やっぱりここにいた!」
しんみりしていた私の後ろで聞き慣れた先生の声に驚き振り返る。
「…、皆は?」
高木先生:「浜辺でそれぞれ吉崎みたいに夕日を見てんじゃないか?…タケは楽しそうに今日のご飯作ってたけど?」
「あはは。タケさんらしいね。」
本当にタケさんは料理が好きなんだね。
そっか。でも皆感じてること…同じなのかな?
夕日が沈む。ゆっくりと…、なのに早く感じてしまう。
カシャリ。
デジカメに写った夕日は思い出に変わる。
マンションで見る夕日も
ここで見る夕日も同じはずなのに、何でこんなに切なくなっちゃうのかな。
高木先生:「…キャンプもあっという間だったな。」
「…まだ、夜があります!今日は絶対寝ません!」
終わって欲しくない今日に、意地を張ってしまう私をいつもの笑い声が、私を恥ずかしくさせる。
結構本気で言ったのにな。
笑う高木先生を見てると、ホッとする。