吉崎 奈緒Side
真上にあった太陽が、いつの間にか時間の経過を表すように、傾く。
私は一人また、この場所に来ていた。
この場所で、太陽が沈む瞬間を見たかったの。
ザパーンと崖に波が当たる。
綺麗な青い海が、少しずつ赤みを帯びてキラキラ光る。
カシャリっと一枚持って来ていた自分のデジカメに映す。
まだ、沈まない、かぁ〜。
波の音が、心地好くて高木先生の真似をして、寝転んで目を閉じてみた。
波の音だけが、響く。
まだ気温は高くて暑いけど、お昼よりは、大分涼しい。
早いなぁ。こうゆう時の時間ってあっという間で。
刻々と、過ぎてしまう時間が、思い出へと変わっていく。
明日で、キャンプも終わりかぁ。
今日は、皆と沢山写真撮ったし、ビーチバレーをして遊んだ。
目を開けて、デジカメで撮った写真を見る。
思い出の一瞬一瞬が鮮明に残り、終わりが近づいていることを、肌で感じてしまう。
風が少し冷たくなってきたこと。
空がオレンジ色になってきたこと。
何だかやだなぁ。まだ…ここにいたい。