崖だよ!?
「先生ー!!!!」
そう叫びながら、崖下を見ると、海に消えていく高木先生。
だって、ちょっと待って!
ここ結構高いよ!?
どうしよう!?
海から上がってこない先生に余計不安になる。
どうしよ…
何だか取り留めなく不安の固まりが私の中を掻き立てる。
高木先生がいなくなる…―。
嫌だ!!!
私も、気付けば先生を追って飛び出していた。
目をギュッと粒って、フワッと浮く感じが全身を伝って、もう、頭が真っ白で、一瞬何も聞こえなくなって。
ザバーンという音とともに、海の波にさらわれる身体が、上手く泳げなくて、ただ必死に手を動かす。
目を開けられないその真っ暗な世界と、息ができない苦しさ、体中に冷たい海の感触が、怖くて堪らなく、死さえ感じさせられる。
とにかく上、上、上!!!
上を目指して必死に手を伸ばして戻してを繰り返す。
伸ばしたその手がグッと何かに捕まった。