奈緒 Side
何だか、眠れない夜。
パタンッとドアの音に気付き、フッと顔を上げる。
誰か、まだ起きてるのかな?
私たち、南、真梨奈、花の4人は2階で、先生達は1階の部屋で寝てる。
部屋を見渡すと寝息を立てる南の下に苦しそうに寝る真梨奈。
花:「〜フラン…クフルトぉ…。」
「まだ食べたいの?」
そんな寝言を言う花に思わずつっこんでしまう。
トントンと階段を下りると、玄関の窓に人影。
それが高木先生のような気がしたのは、私がいつも高木先生を見てるから。
暗くても、形とか、背の大きさとか…何となく見慣れた姿だったから。
フッと、歩き出す人影。
どこ行くんだろう、こんな夜に。
慌てて私もその影を追う。
林の中へ、途中の岩に躓き、そして真っ暗な林の中は一瞬で影を失い、迷ってしまった。
影が出てたのは月明かりのおかげ、木で明かりをふさがれてしまった場所は、本当に真っ暗で、一瞬にして恐怖に変わる。
思えばその影が、高木先生じゃなかったのかもしれない。
じゃあ、いったい誰?
ふと自分の考えに疑問を感じた時に、不安と恐ろしさが襲い掛かる。